大学卒業時からタイ語を始めてタイ語で稼ぎながら同時通訳者になった方法 ①JICA青年海外協力隊語学研修

  • 直接法の授業

タイ語を始めたきっかけは国際協力事業団(現国際協力機構)の青年海外協力隊に応募し、タイに派遣されることになったためです。

卒論を早く仕上げ、大学4年生の1月から協力隊の事前合宿で80日間程タイ語を集中的に学んだ後、タイに渡航。3週間タイ国内で語学研修を受けた後、派遣先に赴任しました。

300~400時間程度タイ語の授業を受けた計算になります。(現在は200時間程度のようです。)

協力隊から通訳翻訳者?と思われる方も多いかもしれません。

しかし、30年も前に私と同時時期にタイに赴任していた協力隊員の中で、タイ語通訳翻訳を生業としている人は把握しているだけで私の他に2名もいます。

協力隊での教授法は直接法、日本語や英語は一切使用せずタイ語による授業でした。

1クラスに生徒は4名のみ。初めての授業ではタイ人の先生が赤、青、黄色の立方体と直方体の小さな積み木を用いて、タイ語で「これ」、「それ」、「あれ」と話し始めました。

先生の話すタイ語と身振り手振り、積み木の様子から、ひたすらタイ語の意味を想像し、自分でその用語を使って話し先生に理解の確認をして頂くということの繰り返しでした。

語学学校によってはまずは発音記号を使用して学習するところもあるようですが、協力隊では文字も初めからタイ文字を使用していました。

入門レベルからの直接法は先生の技量が非常に大切だと思いますが、アメリカのピースコーで20年の教師経験があるという非常に分かり易い素晴らしい先生でした。

月に1回程度タイ人のボランティアが合宿所に来て下さり、フリートークの機会が与えられましたが、全く知らなかった言葉を片言ながら話し、タイ人と意思疎通ができるようになっていくことは自分でも驚きでした。

日本国内の研修を終えた後、タイで3週間の語学研修がありました。

この期間中に日本の大学でタイ語を専攻しているという日本人に偶然お会いしました。

私のタイ語テキストを見せたところ、もうこんな内容をやっているのか、〇年生の〇期(昔の事なので忘れてしまいました)にやる内容だ、と非常に驚いていました。

もちろん、協力隊の語学研修は海外で日本人一人の環境で生きていくためのサバイバルなタイ語でしたから、別途、文法を勉強し、数多くの文章を読むことは上達のために絶対に必要です。

もし、間接法(日本語を介してタイ語を覚えること)で苦労している方がいたら、試しに直接法で習ってみることをお勧めします。

耳からの情報が中心となる直接法は通訳の方が好きな人に向いている方法、一つ一つ確実に理解することが好きな人は間接法が向いているのかな、と個人的に思っています。

または精読ばかりになっている方は多読も是非してみてください。

タイでは2年間、バンコクから800km南にあるナコンシータマラート県の職業高等学校で教師をしていました。

日本人も西洋人もおらず、ネットはもちろん電話も無い、近くに他の協力隊員もいなく、誰かと話したければタイ人とタイ語を話すしかなく、テレビもタイ語だけ。生活すべてが直接法の授業の延長のような2年間でした。

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